小児矯正【叢生編】 お子さんの歯並び、デコボコしていませんか?

不正咬合と言うと、出っ歯 (上顎前突) や受け口 (反対咬合) をイメージされる方が多いかもしれません。
出っ歯や受け口は見た目的に目立つため、印象に残りやすいですが、実は日本人でもっとも多い不正咬合は、叢生 (そうせい) と呼ばれるものです。平成23年の厚生労働省の「歯科疾患実態調査」では、12歳以上20歳未満で叢生のある人は約44%にも上るというデータが出ています。

叢生 (そうせい) ってどんな歯並び?

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叢生とは、簡単に言うと「デコボコ」になっている歯並びのことです。歯がきれいに並んでおらず、重なり合って生えている状態で、「乱ぐい歯」とも呼ばれます。

なぜ、叢生になるの?

 

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叢生は、「歯の大きさに対して顎が小さいこと」が原因で起こります。
歯の大きさに対して顎が小さいと、永久歯に生え替わるときに、後から生えてくる歯が並ぶだけのスペースが足りずに、重なるように生えたり、傾いて生えたりして、歯並びがデコボコになってしまうのです。

分かりやすいように、電車のシートで考えてみましょう。
例えば、10人の大人が乗ってきて、シートがもし8人掛けだったら・・・全員が座ろうとしたら、誰かが斜めに座ったり、隣の人の膝の上に座ったりしなければいけませんよね? これが叢生の状態です。

叢生は遺伝するの?

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叢生に限らず、不正歯列は一般的に遺伝による影響が大きいとされています。子供の歯並びは、「8割が遺伝、2割が外的因子」で決まるというのは、歯科の世界ではよく言われることです。両親の歯並びが悪いと、お子様にも遺伝してしまう可能性が高いというわけです。

逆に、両親の歯並びがよくても、歯並びのいい子が生まれるとは限りません。歯並びが遺伝するというのは実は少し違っていて、正確に言うと、遺伝するのは「顎の大きさ」と「歯の大きさ」です。

例えば、歯も顎も大きくて歯並びがいいお父さんと、歯も顎も小さくて歯並びがいいお母さん。この両親から生まれる子供は歯並びがいいという保証はありません。お父さんの大きな歯と、お母さんの小さい顎を受け継ぐと、お子様の歯はデコボコになってしまう可能性が高くなります。

叢生にはどんなリスクがある?

叢生の影響は様々ですが、大きなリスクとしては以下の3点が挙げられます。

虫歯・歯周病になりやすい

歯が重なり合っていると歯垢が溜まりやすいため、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。

口臭の原因になる

歯みがきがしにくく、歯垢が溜まりやすいため、口臭の原因となってしまいます。

うまく咀しゃくできない

上下の歯がしっかり噛み合わないため、うまく咀しゃくできなくなります。

八重歯はかわいい!?

犬歯 (糸切り歯) が飛び出している状態を「八重歯」と言いますが、この八重歯も叢生の一種です。日本では「八重歯はかわいい」というイメージがあり、治療せずにそのままにしている方も多いですが、歯科医の立場からすると賛成はできません。なぜなら、犬歯が正しく機能していないと、将来、様々なトラブルを引き起こすリスクがあるからです。

私たちの歯は垂直の力には強いのですが、横への力に弱いという性質があります。そんな歯のなかで唯一、横への力に強いのが犬歯です。犬歯は歯根が長くて丈夫なのが特徴で、この歯が噛む位置を決め、歯が横にズレるのを押さえる役割を果たしています。

犬歯の位置がズレていると (=八重歯になっていると) 、奥歯に歯ぎしりが起こりやすく知覚過敏になったり、顎関節症になったりと様々なリスクが生じます。将来的に歯を失うリスクも高くなってしまうため、子供のうちに矯正治療を受けたほうが賢明です。

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